2018年2月21日
ポルト観光(88)第6章 帰国へ §1 マドリッド⇒ヘルシンキ空港 影山喜一
部屋は、前回とあまり変わりがない。熱いシャワーを浴びたかったが、喫緊の詰め替え作業を優先させる。重量・硬軟・壊れやすさ・出し入れの頻度など、あれやこれや乏しい経験と知恵を絞ってシミュレーションが繰り返される。実際、背負って具合を確かめもする。そろそろ12時が近づいて来たので、眠さを我慢できずベッドに飛び込む。スマホで明日の天候を一応調べる。晴れとなっているので、差し当たりは安堵する。今回の長旅は、天候に恵まれて比較的楽であった。15日間の巡礼の過程では2日間ほど雨に降られたものの、いずれの場合も数時間で止んで苦労はほんの僅かで済んだ。横たわって真っ先に頭を駆け巡るのは、楽しかったポルトの出来事でなく艱難辛苦のスペインのドタバタである。今夜はポルトの夢を見ようと念じるうちに意識がなくなった。