2018年2月22日
ポルト観光(89)第6章 帰国へ §1 マドリッド⇒ヘルシンキ空港 影山喜一
7時のアラームで飛び起きた。熱々のシャワーで身体を洗い、髭を深剃りしてさっぱりする。用意してあった下着・シャツ・ズボン・靴下を淡々と身に着ける。飛行機の出発は10時20分であるから、特にチェックアウトを急ぐ必要がなかった。8時30分に玄関前で待機するシャトルバスを予約して置いた。空港まで1時間程度の光景は、どこもここもよく似た光景が延々と続く。コンクリートで整備されつくした道路の脇には物流工場やビジネスホテルやセンスのない大看板が並ぶ。専ら便利さだけを求めて設計・建設された空間である。これでは至福の時を与えてくれた訪問地の思い出が反芻されようもない。空をひとっ飛びして退屈な日常に帰るしかない、と旅における後悔や疲労感を楽しかった日々の反面教師として噛みしめる。