2018年2月27日
ポルト観光(92)第6章 帰国へ §1 マドリッド⇒ヘルシンキ空港 影山喜一
ヘルシンキ空港は、年間旅客数1260万人、同じく発着回数9万2000回弱を誇る。入国審査の際、スタッフに「スペインの何処に行ったのか」と訊かれたので「サンテイアゴ・デ・コンポステーラ」と答えると、彼は目を丸くして隣の窓口の同僚に「サンテイアゴ・デ・コンポステーラだって」と話し掛けた。珍しいシーンに遭遇しじっと眺めていると、それにふと気付いた彼は恥かしそうに微笑んだ。フィンランドと接した触れた唯一の経験は20年前、アメリカの友人宅のパーティーで彼の奥さんのフィンランド出身の父上が、第二次世界大戦中にイギリス空軍のパイロットとしてドイツと戦ったと話すのを聞いたことである。終戦後、渡米してお嬢さんを授かったとか。ソ連(今のロシア)の侵略を逃れてイギリスに向かったらしい。難民として流浪したのである。