2018年2月28日
止まらない咳、軽い息切れが重病のサイン 医師も見逃してしまう「隠れぜんそく」が激増-25 佐野靖之 「隠れぜんそく」-02章 発売元 株式会社 幻冬舎より
ぜんそくとまぎらわしい呼吸器の病気
・逆流性食道炎
胃酸を含む胃の内容物が食道に逆流することで、食道の粘膜が炎症を起こす状態を逆流性食道炎といいます。とくに高齢者に多い病気です。粘膜のただれや潰瘍が生じ、ゲップや慢性咳嗽(がいそう)、咳き込み、胸焼けや胸の痛み、咽頭部の不快感などの自覚症状があります。胃酸に刺激されて咳が出る、早朝にのどのあたりに違和感を覚えるなどの症状が、ぜんそくと似ていてまぎらわしいところ。判別には、内視鏡検査などが有効です。
・過換気症候群
過度の緊張やストレス、不安などが引き金となって過呼吸が起こり、手足のしびれや突っ張り、動悸やめまいなどが起こります。症状が出ることでさらにパニックになり、ますますひどくなる場合が多く、胸の痛みや呼吸困難、けいれんなどが起こるほか、意識混濁の状態に陥ることもあります。浅く早い呼吸が繰り返される過呼吸発作が起こると、血液中の炭酸ガスが著しく低下して、体液のバランスが崩れます。このとき血液がアルカリ性に傾き、呼吸性アルカローシスになるために、さまざまな症状が表れると考えられています。紙袋を口に当てて、自分の吐く息で呼吸をするとCO2が上昇し、それが血中に反映して症状は改善します。血液ガスの炭酸ガス分圧を調べることで、ぜんそくとの見分けができます。