2018年3月9日
ポルト観光(100)第6章 帰国へ §2 ヘルシンキ空港⇒セントレア⇒浜松 影山喜一
留守番中のナノ・リュック
7月2日8時50分。バックパック姿の私たちに税関スタッフは、なにも確かめようとせずに通過するよう促すだけである。一般に中年以上のカップル、とりわけ日本人に対しては、日本以外の諸外国においてもほとんどフリーパスといってよい。余りの好待遇ぶりに騙す能力がないと見くびられていると疑いたくもなる。逆に、可哀想なのがアラブ系の人たちである。
数メートル進むと喧しく扉が開いた。旅行会社の職員グループが、客の名前の書かれたボール紙を一斉にかざす。私たちには縁のない連中であるから、さっと彼らの横をすり抜けて前進する。頭上の標識で遠距離バスの乗り場を探す。タクシーや送迎のクルマの走る一般道路を跨ぐ渡り廊下の先にある。エレベーターで地上に降りて浜松行きのチケットを2枚買う。出発まで15分近く待たねばならない。東名高速のICで1回磐田・掛川方面の乗り換え客を降ろすのみで、2時間弱をほとんどノンストップでJR浜松駅まで無事運んでくれる。静岡空港であればもっと短時間で済むけれど、国際線の行き先は僅か韓国と中国に限られる。