2018年3月14日
ポルト観光(103)第6章 帰国へ §2 ヘルシンキ空港⇒セントレア⇒浜松 影山喜一
留守番中のナノ・リュック
駅から徒歩で20分弱しかかからないので、タクシーを利用する必要は正直なところない。ただ荷物が大きくかさばるため、バスはキャンセルすべきであると考えた。後ろの荷台にバックパックを放り込み、狭苦しい座席に疲れた身を縮めて座る。数分後と置かずチェーンの掛かった門の前で降りる。停車音を聞いた二匹がサンルームのガラス越しに私たちを発見した。ひょっとすると自分たちを見放した輩は許さない、と顔を見たとたん無視するのではないかと心配した。しかしながら、それは間違いなく杞憂であった。これまでにないくらいの「熱烈歓迎」ぶりで迎えてくれた。現金なもので少なからず違和感を覚えていたのに、今は長旅の疲れもなんのその素直に帰宅を喜んだ。いつの間にかポルトの楽しかった日々が、現実ではなく想い出に変わりつつあった。