2018年3月15日
止まらない咳、軽い息切れが重病のサイン 医師も見逃してしまう「隠れぜんそく」が激増-36 佐野靖之 「隠れぜんそく」-02章 発売元 株式会社 幻冬舎より
総合病院でも見逃される可能性は高い
また、どこかが悪いとわかっているけれど、どこが悪いかわからない。そういうときには総合病院に行けばいいという声もよく聞きます。しかし、こうしたことは個人クリニックだけでなく、総合病院でもよく起こり得るケースで、総合病院に行けばすぐにすべてが解決するというわけにいかないというのが実情です。総合病院には小さな病院には置いていない機器も揃っており、さまざまな検査が受けられます。循環器科でわからなかったら消化器科へ、それでもわからなかったら呼吸器科へ……などのように、科を移っていくことも可能です。しかし、いくら機器が揃っていても、その検査が必要であると判断されなければ、当然検査はされません。科の連携システムというものもまだきちんと確立されてはおらず、連携があまりうまくいっていない総合病院もあり、一つの科を受けて病名がわからなかったらそこで終わり、ということも珍しくはありません。とはいえ、最近は、現代医療があまりに専門化、細分化されすぎてきた点を反省してか、多角的な診療を行うための総合診療科を備えたり、科の連携をスムーズにするための態勢を整えている病院も増えてきている嬉しい事実もありますから、今後に期待ともいえます。