2018年3月15日
ポルト観光(104)エピローグ 影山喜一
僅か3日間であったが旅はなんとか終わった。15日間の巡礼を無事完歩した自分たちに対する褒美と位置付けたので、あまり持って回った願望などはなく素直に楽しもうと考えた企てであった。もっとも、サンティアゴ・デ・コンポステーラに辿り着いた際、正直なところ精も根も尽き果て次の行動は到底不可能といえた。一応、日本出発の前にポルトとコインブラを回るつもりではいた。それも巡礼を始めた直後のアクシデントにより2日ほど遅れ、結果的に候補地からコインブラを削る羽目となってしまった。しかも、タウンマップやガイドブックなどの資料を荷物の重量軽減のためにマドリッドのホテル宛てで送り、身軽にはなったものの具体的な見学や歩行を後押しする術が残念ながら皆無の徒手空拳の旅である。かつてない心細さでスタートした。