2018年3月20日
止まらない咳、軽い息切れが重病のサイン 医師も見逃してしまう「隠れぜんそく」が激増-39 佐野靖之 「隠れぜんそく」-02章 発売元 株式会社 幻冬舎より
専門医でもぜんそくを正しく理解していないところがある
胸痛ぜんそくは、ゼーゼー、ヒューヒューという喘鳴や咳が出ないぜんそくで、主な症状は胸や背中の痛み。日本ではまだ認知度の低い疾患で、その症状から循環器を受診する人も多いのですが、心臓などの循環器には問題がないので診断に困ることが多いようです。呼吸機能検査での気道過敏性テストの結果で判断できます。治療は普通のぜんそくと同じで、吸入ステロイド薬によって症状の改善が望めます。
私のクリニックに以前、「うちの娘はもしや胸痛ぜんそくではないだろうか」と、子どもを連れて来院された人がいました。当時、患者は10代半ばぐらいでしたが、とにかく胸が痛いということでした。泣くほど痛く、夜も眠れないほど苦しく、2階にある自分の部屋に上がることすらできないほどつらい。何軒もの病院を回っても原因がわからず、いろいろ調べているうちに私のクリニックのサイトを見て、「胸痛ぜんそく」という病気があることを知り、もしやと思ってやってきた……などと母親が説明してくれました。