2018年3月26日
ポルト観光(110)エピローグ 影山喜一
たぶん彼らは、出稼ぎで滞在する連中に違いない。アンゴラからも来ているかもしれない。いずれにせよ、旧宗主国にとって植民地の処理問題は厄介である。もっと対象を広げても異国の人びととどのように接するかは、難民対策を含めて個々の国というより国際的テーマとなっている。それについてポルト訪問で気付いた点がある。日本の憲法を巡って議論が活発化しつつあるものの、基本的な部分であまり取り上げられないことが多い。ここで1つだけ指摘したいのは、現行憲法が対象を日本人に限定するところである。GHQ(アメリカを先頭とする連合軍総司令部)の草稿で“Natural Person” となっていたのを日本政府が“Japanese People”と修正している。つまり、法の対象から日本国籍を持たない外国人を排除してしまったのである。