2018年3月29日
ポルト観光(113-終)エピローグ 影山喜一
計画なしでぶらぶら思うままに歩くのも気楽であるばかりか返って楽しい。何も前提を持たないが故に、出会った際の印象をそっくり受け入れられる。ドン・ルイス一世橋やクレリゴス教会に代表される世界遺産は、もちろん素晴らしい。しかし、それらを通して圧倒的迫力で私の頭脳に溢れる感動は、多くの名所・旧跡にすべからく共通するものである。いやひょっとすると逆かもしれない。即ち、送る世界遺産の側よりも受ける私の側に責任があるとも考えられる。名所・旧跡と聞くや否や定型化された反応が構築されてしまう可能性はある。それを跳ね返す直観や観察力のある芸術家や知識人であれば、言うまでもなく独創的で魅力に溢れる反応や感想を表現しうる。無能極まりない私としては、ただ感じた通りをだらだら書き連ねるのみであった。