2018年4月17日
止まらない咳、軽い息切れが重病のサイン 医師も見逃してしまう「隠れぜんそく」が激増-58 佐野靖之 「隠れぜんそく」-02章 発売元 株式会社 幻冬舎より
重症度を見極めづらいのがぜんそく治療の恐ろしさ
ぜんそくに限らず、どの病気の治療にも当てはまることですが、医師が処方する薬の種類や量、用法は、患者一人ひとりに合わせて適切なものが選ばれています。ぜんそくの治療でも当然、その処方を守るということは基本中の基本。しかし、ぜんそく患者の中には、発作が起こらなくなったからと勝手に薬をやめてしまう人や、自己判断で吸入の回数を減らすという人が多いのです。
本人が治ったように感じたとしても、見えない気道の中ではまだ炎症が続いており、いつ発作が起きてもおかしくない状態のままであるかもしれません。気道の炎症が改善されてきていたとしても、重症度のランクが変わるほどには至っていないかもしれません。本当によくなっているのかは、検査をしなければはっきりとはわからないのです。にもかかわらず、勝手に治療内容を変えたせいで、治療中にぜんそくを悪化させ、ゼロどころかマイナスからのやり直しとなる人が後を絶ちません。ちなみに、薬をやめたり減らしたりするだけでなく、吸入ステロイドの回数を上限以上に増やすことも問題です。症状が悪化した場合は上限を守って増量することはかまいませんが、上限を超えて増やすことで、本来出るはずのない副作用が起こる危険性もあります。