2018年4月19日
止まらない咳、軽い息切れが重病のサイン 医師も見逃してしまう「隠れぜんそく」が激増-60 佐野靖之 「隠れぜんそく」-02章 発売元 株式会社 幻冬舎より
重症度を見極めづらいのがぜんそく治療の恐ろしさ
このように、勝手な判断が悪い結果につながるということは、よくあるケースです。「薬の種類や量を変更したい」「治療内容を見直したい」などの要望があるときには、まず医師に相談するようにしてください。
ところで、私のクリニックには「ほかの病院でぜんそくの治療をしていたのですが、発作がどんどんひどくなってしまって……」とやってくる患者が少なからずいます。ほかの病院での治療内容を聞くと、発作を抑えるための発作治療薬(リリーバー)だけしか処方されずに根幹治療がなされていなかったり、患者の重症度には合わない薬の種類や量を処方されていたというケースがよくあります。
診断が難しく、また治療も一筋縄ではいかないぜんそくという病気は、残念ながら、適切な治療がなされていないというケースもよくあるのです。きちんと治療を続け、日々の生活にも気をつけて自己管理できていたとしても、そもそもの治療が間違っていたならば、それらの努力も水泡に帰してしまいます。とくに呼吸器科やアレルギー科の専門医のいない病院では、医師ですらぜんそくへの理解が足りていないということもままあります。