2018年4月26日
現代人がぜんそくになる原因とメ力ニズム-03 佐野靖之 「隠れぜんそく」-03章 発売元 株式会社 幻冬舎より
ぜんそくを理解するために知っておくべき、「気道」のメカニズム
また、肺胞に十分な酸素が届かず、不要な二酸化炭素がきちんと排出されずにいると、意識混濁やチアノーゼなどに陥ることもあります。気道に問題が生じると、呼吸がスムーズにできなくなるのはもちろん、血液中のガス交換にも支障が出てしまい、全身に悪影響が出る恐れもあるのです。
さて、ここで、ぜんそくの発作が起こる仕組みについても見ていきましょう。
健康な状態の気道は、むくみがなく、好酸球などの炎症細胞の浸潤も見られません。しかし、ぜんそくの人の気道では慢性的なアレルギー性の炎症が起こっているため、発作が起こっていないときでも平滑筋や気道の粘膜がむくみ、上皮細胞の剥がれや炎症細胞の浸潤、痰の分泌が見られます。これは、気道の中が荒れて、少しの刺激にも反応しやすくなっている状態です。そして、ぜんそくの人の気道が刺激されると、平滑筋がけいれんして収縮し、ぎゅっと締め付けられます。これを続けていると平滑筋の肥大増生や気道粘膜のむくみや炎症細胞の浸潤がますます増え、痰がさらにたまっていきます。