2018年5月1日
現代人がぜんそくになる原因とメ力ニズム-05 佐野靖之 「隠れぜんそく」-03章 発売元 株式会社 幻冬舎より
ぜんそくを理解するために知っておくべき、「気道」のメカニズム
気道が不完全な状態のままで何度も発作を繰り返していると、そのたびに気道の炎症は悪化し、気道はどんどん狭くなっていってしまいます。すると末梢気道の過敏性が充進し、ますます発作を起こしやすい状態になるという悪循環に陥ります。この流れを「気道のリモデリング(不完全な構築)」と呼び、V25の低下がリモデリングの指標となります。
ぜんそく患者の気道が一度「気道のリモデリング」にはまってしまうと、ますます炎症が悪化しやすくなり、治療もより難しくなってしまいます。そのため、近年のぜんそくの治療では、気道のリモデリングに陥らないことを最重要と考え、「発作をどう鎮めるか」ではなく、「いかに発作を起こさないか」に重点が置かれています。現在のぜんそくの治療では、「長期的な治療を行って気道の炎症をじっくり、確実に鎮めていくことで、発作がどんどん起こりにくくなり、発作が起こらなくなって吸入ステロイド剤以外の薬がいらなくなるまでの状態にまで回復させることが可能となっています。