2018年5月10日
現代人がぜんそくになる原因とメ力ニズム-10 佐野靖之 「隠れぜんそく」-03章 発売元 株式会社 幻冬舎より
なぜ、人はぜんそくになるのか
遅発型反応は、白血球の中にある炎症細胞の一つ、「好酸球」の暴走が原因と見られ、即時型反応から約3~6時間後に起こります。好酸球は抗原抗体反応のときに顕著に増加する炎症細胞なのですが、肥満細胞が放出した化学伝達物質の好酸球遊走因子や、T細胞が産生したサイトカインに呼び寄せられて、気道内に大量に集まってきます。そしてこの好酸球が、気道の粘膜上皮を破壊したり、剥離させるECPやMBPという組織障害性たんぱく質のほか、ロイコトリエンなどの化学伝達物質を放出して、抗原抗体反応をさらに増幅させます。遅発性反応では、気道が刺激されて発作が起こるだけでなく、気道の粘膜上皮が剥がされることによって、気道の過敏性が充進することがわかっています。