2018年5月15日
現代人がぜんそくになる原因とメ力ニズム-13 佐野靖之 「隠れぜんそく」-03章 発売元 株式会社 幻冬舎より
遺伝的要素が無視できないぜんそくという病気
とくに小児ぜんそくの発症には生まれ持った体質が大きく関わっていると考えられており、両親や祖父母、親類などにアレルギー体質の人がいる場合には、子どもがぜんそくを発症する可能性が高くなるといわれています。
アレルギー体質は、その遺伝性素因の強さから優性遺伝ではないかという説もあるほどです。ただし、遺伝によってアレルギー体質が受け継がれた場合でも、「親がぜんそくにかかっていて、子どもも小児ぜんそくを発症する」とか「祖母もその娘の母親も、その子どもも花粉症にかかる」などのように同じアレルギー性疾患を発症するとは限らず、「父親がアトピー性皮膚炎を持っており、子どもが小児ぜんそくを発症する」「父親がスギの花粉症で、母親がアレルギー性鼻炎。そしてその子どもは小児ぜんそく」など、それぞれに違うアレルギー性疾患を発症するというケースも多く見られます。つまり、遺伝ではアレルギー性疾患が受け継がれるのではなく、アレルギーという体質が受け継がれていると考えられます。