2018年6月1日
「草木」八月一日締切「草原集」 詠草 二〇一七年七月三十日 桐村俊一郎
1. 念願の福井サムホール展を見る競ひ描ける心象風景 (7/18)
2. 勝山の渓流宿の夏座敷あまご尽しに山菜の膳
3. 恐竜の卵小さし肉食と草食負けじと巨体に進化 (勝山・恐竜博物館)
4. 越路より帰途のお湿り留守の間の家内(やぬち)の熱も和らぐ夜さり
5. くろがねの屋根のほてりに短夜の寝ねがてに過ぐ季は来にけり
6. 日もすがら灼けたる屋根に雨乞ひの空しきままに十日を過ぎぬ
7. 遠雷のたゆたひ来れば稲妻に雷(らい)轟きて驟雨は到る (7/30)
8. 降り初めに一声ありしホトトギス降り募りては音やみにけり
9. 明るめば委細構はぬ蜩の斉唱雨を追ひ払ひけり
10. ひとときの驟雨に風の涼しきを暑き日を呼ぶ蝉かしましき