2018年6月5日
現代人がぜんそくになる原因とメ力ニズム-27 佐野靖之 「隠れぜんそく」-03章 発売元 株式会社 幻冬舎より
ぜんそくと咳ぜんそくの共通点と違い
咳ぜんそくはその症状だけでなく、「気道内で炎症に関わる好酸球が増えている」「アレルギー性の炎症が起こっている」など、気道の内部で起こっていることにもぜんそくとの共通点があります。とはいえ、気道の内部で起こっていることは、患者にはわかりませんから、症状に覚えがある人は早めに専門医で診察を受けることが大事です。
前項でも話しましたが、ここで改めて、ぜんそくと咳ぜんそくの共通点と違いをまとめておきます。
【共通点】
●発作時に激しい咳が出る
●夜中から明け方にかけて、激しい咳が出る
●種々のアレルゲン、寒暖の差、たばこの煙や他人の強い香水の香り、大きな声で話したり長く話すことが誘因となる
●市販の咳止め薬では治らない
●気管支拡張薬、吸入ステロイド薬でいったんは症状がよくなる
【相違点】
●咳ぜんそくでは「ゼーゼー」「ヒューヒュー」という喘鳴はない
●咳ぜんそくでは息苦しいなどの呼吸困難はない
●咳ぜんそくではほとんど痰はからまないが、気管支炎などを合併すると膿性痰が出てくることもある
●咳ぜんそくは1~2ヵ月の薬物治療で、症状はほとんどいったん消失する
非常に似ている症状の多い両者ですが、咳ぜんそくの段階で治療を継続すれば気管支ぜんそくに移行せずにすみます。