2018年6月11日
現代人がぜんそくになる原因とメ力ニズム-31 佐野靖之 「隠れぜんそく」-03章 発売元 株式会社 幻冬舎より
残業、都会の空気・・・現代人の生活はぜんそく発作が起こる要因だらけ
ところで、交通網の発達や乗用車の普及など便利な世の中を反映してか、運動不足になる人も増え、肥満になる人の割合も増えてきています。今では中年以上の男女の3人に1人が肥満だともいわれていますが、肥満も、ぜんそくを悪化させる要因の一つといわれています。
肥満とぜんそくの関係についてはまだはっきりとしたことがわかっていないものの、肥満により横隔膜が押し上げられて1回の呼吸で肺に出入りする空気の量が少なくなることや、脂肪細胞からの分泌物によってアレルギー性炎症を引き起こすなど、さまざまな理由によって、ぜんそくを悪化させると考えられています。
現在、社会がどんどん発展して目まぐるしい変化を遂げている中、以前にはなかったものがさまざまに表れて、ぜんそくを誘発する原因となっています。そして今後、これまで考えられなかったものが誘因となり、アレルギー性疾患であるぜんそくをより悪化させる可能性も十分に考えられます。
文明の発達と密接な関わりが見られる疾患を文明病ということがありますが、ぜんそくも、立派な文明病の一つだといえるのです。