2018年6月15日
甲風会 二〇一八年新年会詠草 桐村欅軒
1. 台湾と八重山諸島の長旅の合間は風邪をこじらせて過ぐ
2. 年越しは咳に鼻水角膜の傷に眼痛む日々を耐へつつ
3. 血圧を気にする医師は体温も計らず風邪の薬処方す
4. 泣き寝入りできぬ「蒼玉集」の撰抗議の手紙纏めあぐねり
5. 「苦海浄土」知らぬ撰者は時空超え繰り返される悲しみを見ず
6. 年賀状見て賀を返す人増ゆる今や遅しと別れを待つや
7. 広島のひとの賀状に大会のお招き嬉し行かんと思ふ
8. 肺がんの友に明るき一年を給ひしひとと賀状を交す
9. 「鳴風」の同人たりし二人から賀状返らずつつがありしか
10. 石垣の旅寝に偲ぶこの島に定住テストされしご夫妻