2018年6月18日
専門医だけが知る、ぜんそくの治療法 カギを握るのはステロイド薬の「吸入法」-01 佐野靖之 「隠れぜんそく」-04章 発売元 株式会社 幻冬舎より
ぜんそく治療の薬は、「発作を防ぐ」タイプと「発作を止める」タイプに分かれる
ぜんそく治療のメインは、薬物療法です。
治療に用いられる薬は、大きく「発作を防ぐ」タイプと「発作を止める」タイプに分かれます。最近は「発作を防ぐ」「発作を止める」の両方に効果を発揮する合剤も登場していますが、これは前述したぜんそくの重症度のステップ2以上の患者に使用が認められたものです。具体的には、ステロイドの抗炎症作用とβ刺激薬の気管支拡張効果が同時に得られるもので、製品名でいうと「アドエア」「アドエア・エアー」「シムビコート」「フルティフォーム」などです。効果もしっかり認められ、使いやすいため、今後使用者は増えていくと予想されています。すでに1日1回使用の合剤「レルベア」も発売されており、ぜんそく治療はより簡便になってきています。
それぞれに経口薬、吸入薬、貼付薬、点滴薬などさまざまな形状がありますが、その症状や患者の年齢、生活スタイルなどによって使い分けていきます。
詳しくは後述しますが、患者が好むのは「リリーバー」などの発作を止める薬です。前述したとおり、ぜんそく患者は発作が起こるまで、患者自身も自分がぜんそくを患っていることを忘れてしまうほど体調が普通(あるいはいい状態)なことが多いため、それが薬のもたらす効果であってもそれを認めにくい状況にいます。