2018年6月22日
専門医だけが知る、ぜんそくの治療法 カギを握るのはステロイド薬の「吸入法」-04 佐野靖之 「隠れぜんそく」-04章 発売元 株式会社 幻冬舎より
治療の根幹となるのは「吸入ステロイド」
ぜんそく薬以外のステロイド剤が全身に作用し、副作用として「副腎皮質抑制」「骨粗しょう症」「白内障」などが危惧される中、ぜんそく治療用の吸入ステロイドは肺局所だけに直接作用し、副作用はまれに「ヒリヒリするようなのどの痛み」「口の中の違和感」「声がれ」「口腔カンジダ症」「咳」などが見られる程度です。これらの副作用についても、吸入後によくうがいをすることによって、あるいは食前に吸入してうがいをすることによって、多くの副作用が防げるとの臨床結果が出ています。
なにしろ、吸入薬として使用されるステロイドの量は、マイクログラム(100万分1g)と非常に少ないのです。構造式より吸入ステロイドは、万が一血中に入っても非常に微量である上に肝臓で99%が代謝されるため、副作用を起こしにくくしています。使用量を守っていれば、副作用の心配はまったくありません。