2018年6月29日
専門医だけが知る、ぜんそくの治療法 カギを握るのはステロイド薬の「吸入法」-09 佐野靖之 「隠れぜんそく」-04章 発売元 株式会社 幻冬舎より
吸入ステロイド薬は吸い方を間違えると意味がない
ぜんそく患者の命綱ともいえる吸入ステロイド剤ですが、薬が正しく吸入されないで気道や肺に届いていないと、その効果が半減してしまいます。
吸入薬は基本、吸い込んだ薬がすぐに気道の粘膜から吸収されます。そのため、飲み薬よりも速くその効果が表れ、また、全身に薬が回ることはなく、肺局所の炎症が起こっている部分に作用するため、副作用の心配を減少し、少ない量で効果を発揮することができます。
しかし、その効果も正しく気道や肺に吸入されてこそ。吸入した際に肺に入らず口の中に薬のほとんどが残ってしまうと、後からいくら唾液や水で飲み込んでも効果はありません。「毎日、言われたとおりに吸入ステロイドを服用しているのに、今一つ効果が出ない」という患者は、正しく吸入ができていないことが多いのです。