2018年7月6日
二〇一八年二月度箕面会詠草 西表島(一月十九日) 桐村欅軒
11. 屈強な男ら数多朝まだき西表行き船室に満つ (石垣港ターミナル)
12. いつの間に消えしか共に来し人も埠頭の列を呑みたる船も(西表島大原港)
13. 朝八時大原港に観光の刻は到らず雨降りしきる
14. ツアー客待つマングローブクルーズの一番舟の先頭に乗る
15. 河口より大橋くぐり遡る今朝満潮の川筋深く
16. 緑濃き各種ヒルギの水面下想像の根は生なまと伸ぶ
17. 尖見えぬサキシマスオウ幾重にもうねる板根の屏風めぐらす
18. 春を急く下がり花咲く二つ三つ細き四弁のゆかしき白花
19. 水牛車海渡り行く油布島のマンタ寄るとふ浜清々し
20. 海に沿ふ道一筋に人住める西表島悠久の森