2018年7月26日
専門医だけが知る、ぜんそくの治療法 カギを握るのはステロイド薬の「吸入法」-25 佐野靖之 「隠れぜんそく」-04章 発売元 株式会社 幻冬舎より
薬を使用する際、気をつけたい三つのポイント
ぜんそくの治療薬を使う際、気をつけたいポイントは3つあります。
1つ目が、使用している薬の記録を「お薬手帳」などで取っておくこと。ここまで紹介したぜんそくの発作を防ぐためのコントローラー(長期管理薬)には、さまざまな種類があり、その中から複数の薬を組み合わせて使っています。ぜんそくの治療が投薬ということは前述しましたが、だからこそ、治療の状況によっては、薬の量や種類が変わることもあります。
治療経緯や内容(薬の内容)を理解するためにも、お薬手帳の記録は取っておきましょう。できることなら、それに付随して、風邪やインフルエンザにかかった、疲れ気味だ、職場環境が替わったなど、健康と環境の変化も記録しておくといいと思います。それにより、発作の前触れをつかみやすくなり、予防に役立ちます。
二つ目が、「発作がなくても薬は使い続ける」こと。本書でしつこく繰り返していますが、これがぜんそく治療の根幹であり、すべてでもあります。コントローラーの多くはすぐに効果が表れるようなものではなく、ゆっくりと効果を発揮します。即効性がないからと薬をやめる(減らす)、症状が軽いからと服用をおろそかにしていると、後で痛い目に遭います。