2018年8月3日
専門医だけが知る、ぜんそくの治療法 カギを握るのはステロイド薬の「吸入法」-31 佐野靖之 「隠れぜんそく」-04章 発売元 株式会社 幻冬舎より
発作が起こったら症状を止める薬を上手に使う
■抗コリン薬(気管支拡張薬)
副交感神経からの刺激伝達物質・アセチルコリンを遮断して気管支を広げます。即効性はないため、β2刺激薬との併用で症状の改善の手助けをします。頭痛、吐き気、発疹、咳、消化不良などの副作用が出ることがあります。また、前立腺肥大症や緑内障の患者は使用できないことになっています。
※主な薬/吸入薬としてアトロベント、テルシガン、スピリーバレスピマットなど
■経口ステロイド薬(抗炎症薬)
気道の炎症を鎮めます。救急で医療機関を受診する前に服用しておくと、症状のさらなる悪化を防ぐことができます。発作の場合は、まずは気管支拡張薬を使いますが、炎症を鎮めるステロイド剤を使うことで発作を落ち着かせ、その後の症状の悪化を防止します。あらかじめ主治医より発作用の薬として処方してもらい、それでもよくならない場合は受診しましょう。
※主な薬/コートリル、プレドニゾロン、プレドニン、メドロール、オルガドロン、デカドロン、リンデロン、レダコートなど
■ステロイド薬入りの点滴や注射
発作が強い場合や改善しない場合には、テオフィリン系薬(気管支拡張薬)を静脈に点滴、あるいは注射します。全身性ステロイド薬を一段に併用使用しますが、それでも改善が見られない場合は、さらに追加するか、入院となる場合があります。