2018年8月7日
専門医だけが知る、ぜんそくの治療法 カギを握るのはステロイド薬の「吸入法」-33 佐野靖之 「隠れぜんそく」-04章 発売元 株式会社 幻冬舎より
発作の起こりやすい状況を自覚しよう
また、ぜんそくの発作は「深夜」と「明け方」に多く、昼間は少ないのが一般的です。これは、睡眠中にステロイドホルモンの分泌量が低下したり、気管支を収縮させる副交感神経が優位となって、発作が起こりやすい状況になるからといわれています。また、昼間にも発作が起こる場合は、かなり強い発作状態にあるといえます。
そのほか、激しい運動や屋外で乾燥した冷たい空気を吸い込みながら運動をすることにより気管支が刺激されて発作を引き起こすことがあり、これは、子どもに多い傾向があります(EIA・運動誘発ぜんそく)。大量飲酒や過度な過労や月経前なども発作を誘発します。なにより風邪やインフルエンザなどの感染症は発作を引き起こす最大の原因です。このような「発作の起こりやすい状況」を自覚しましょう。
もう一つ覚えておいてほしいのが、発作が起こる前のサインです。成人なら、疲労感やのどから胸にかけての違和感、咳込みや息苦しさがあり、アレルギー性鼻炎を併発している場合は、鼻水、くしゃみ、鼻づまりなどが見られます。子どもの場合は、ぐずぐずして機嫌が悪くなったり、落ち着きがなくなったりするほか、涙目になる、咳ばらいをする、熱が出るなどの症状が出ます。
こうした前触れがあったら、早めに発作用の薬を吸入、服用して休息を。何事も早めの対応が大切です。