2018年8月8日
専門医だけが知る、ぜんそくの治療法 カギを握るのはステロイド薬の「吸入法」-34 佐野靖之 「隠れぜんそく」-04章 発売元 株式会社 幻冬舎より
もしも発作が起こったら――小・中・大、それぞれの発作の対応法
もしも発作が起こったら、小・中・大その状態の重さにかかわらず、基本は安静にして薬を吸入、あるいは服用することです。症状別に発作の対処法を紹介します。
小発作の場合
小発作は、成人も子どもも「軽い喘鳴」「咳」「息苦しさ」を感じますが、横になることはできます。会話や食事、仕事や家事や遊びに支障がないため、発作が起きているか否かがわかりにくい場合がありますが、突然に発作が悪化する場合があります。
「大丈夫」と決めつけずに、楽な姿勢で休んでβ2刺激薬を。休む際に仰向けになると呼吸が苦しくなったり、咳込んでしまいますから、上体を起こした姿勢を取って、体を締め付ける下着や洋服はゆるめて楽にしてください。同時に水分を補給しますが、ここでの水分は痰を切れやすくするためのものなので、飲みやすければどんなものでもOKです。落ち着いたら痰を出し、呼吸を楽にしてください。乳幼児の場合は、ミルクのげっぷを出す要領で背中をトントンと下から上へ軽くたたくといいでしょう。
そのまま15~30分ほど様子を見て、改善すれば成人は必要に応じて予防薬を。子どもは20~30分の間隔でβ2刺激薬を吸入または内服。乳幼児も同様ですが、ツロブテロール貼付薬(ホクナリンテープ)を併用してもいいでしょう。15~30分ほど様子を見て、改善をしなければ、成人は20分ごとに2吸入ずつβ2刺激薬を4回まで吸入。子どもや乳幼児は、20分ごとにβ2刺激薬を吸入、シロップ製剤を処方されていればそちらを上限4回まで服用します。それでも改善がなければ、ただちに病院に行ってください。
小発作についてはほとんどの場合、大事に至ることはありませんが、子どもや乳幼児は急激に悪化する場合もあります。しばらくしても症状が治まらない場合は、必ず病院に行ってください。