2018年8月16日
たましい 杉山平一
僕のこの立小便は
晴れた野原の草に沁み土に沁みこんで
やがてかげろうとなって天にのぼり
雲となって遠く行き
オアフ島の上に降るであろう
一滴の水も減らず
一滴の水も増えぬ
この世界にあって
どうして僕の魂も
消えることがあろう
いつの日か一匹の犬となって
ストックホルムの丘を走り
遂げられなかった思いに向って
遠く高く吠えることであろう