2018年8月20日
専門医だけが知る、ぜんそくの治療法 カギを握るのはステロイド薬の「吸入法」-39 佐野靖之 「隠れぜんそく」-04章 発売元 株式会社 幻冬舎より
ぜんそく治療のもう1つの柱は、毎日の自己管理
ぜんそく治療の中心となるのは薬、中でも吸入ステロイドであることを説明してきましたが、ぜんそくのように一度患うと長引く病気の治療は、毎日の自己管理が大切になってきます。もっといえば、ぜんそく治療は「薬」と「自己管理」が二大柱になるということです。
詳しい自己管理については、次の章に譲るとして、ここではピークフロー測定やぜんそくコントロールテストなどでぜんそくの重症度や改善の可能性を自ら把握する方法を紹介します。
ピークフロー測定とは、ピークフローメーターという測定器を使って気道の詰まり具合を調べる検査です。測定器に向かってできるだけ速く強く息を吐き出し、1分あたり何リットルの息が吐けるかを調べ、その結果によって気道の状態がわかり、症状が悪化して気道が狭くなっていると、吐く息の量も減るので、ピークフロー値も低くなります。わかりやすいぜんそく症状のチェック方法ではありますが、2006年度では、ピークフローメーターを持っている人は成人で12%、子どもで7%と、まだまだ少ないのが現状です(厚生労働省、喘息死ゼロ作戦評価委員会調べ)。