2018年8月22日
専門医だけが知る、ぜんそくの治療法 カギを握るのはステロイド薬の「吸入法」-41 佐野靖之 「隠れぜんそく」-04章 発売元 株式会社 幻冬舎より
ぜんそく治療のもう1つの柱は、毎日の自己管理
また、ぜんそくコントロールテスト(ACT)は、器具を使わない分、ピークフローを測定するよりもやりやすい方法です。ピークフロー値とぜんそくコントロールテストを併用すれば、それぞれの現状はほぼ正しく把握できます。この二つの方法で、自覚症状に頼るよりも早く症状の悪化を察知、発作の予防ができます。とはいえ、自分勝手な判断をせずに、定期的な診療は怠らないでください。
さらに、ぜんそく治療は長期間にわたるので、独立法人・環境再生保全機構や病院で無料配布されているぜんそく日誌を使って、日々の症状を記録することもいいでしょう。ぜんそく日誌には、症状や体調、薬の名前と使用状況、ピークフロー値、発作の有無、睡眠時間、日常生活などを書いていきます。こう聞くと項目も多く大変そうに感じるかもしれませんが、実際は○×を付けたり、数値を書き込むだけの簡単な記録です。とはいえ、簡単であっても、発作が起こらなかったり体調がいいと書き忘れが続いて、気づけば記録しなくなっていたというケースも少なくありません。
しかし、ぜんそく日誌があると、私たち医師は患者の状態を正しく理解でき、今後の治療方針や薬を決める参考になります。また、旅先などで急に発作が起きたときでも的確な治療を受けられます。なにより、これはぜんそく日誌に限らず、ピークフロー測定やぜんそくコントロールテストもそうですが、それこそが自分の病状を自覚し、日々、薬を怠らずに生活を見直すという意味で、最良の治療になるのです。「ピークフロー測定」「ぜんそくコントロールテスト」「ぜんそく日誌」を生活の一部にして、日々の自己管理を心掛けてください。