2018年8月30日
室内環境の改善、ストレス発散…… 発作を防ぐ生活習慣-05 佐野靖之 「隠れぜんそく」-05章 発売元 株式会社 幻冬舎より
風邪やインフルエンザはぜんそくの大敵
ぜんそくの患者にとって、呼吸器の感染症は大敵です。風邪やインフルエンザにかかると、ほぼすべてのぜんそく患者の症状が悪化します。
ウイルスに感染してしまうと、サイトカインを介して気道の粘膜が炎症を起こし、過敏性が高まり、発作を起こします。勘違いされやすいのですが、これはウイルスそのものがアレルゲンとなるわけではなく、ウイルスが器官に付くことによって、ILC2という自然免疫性のリンパ球が増加し、サイトカインをさらに増幅して好酸球を出すことによります。このILC2は時間が経つごとに増えていくのが特徴の一つで、ウイルスに感染すると、時間が経つほどに咳やぜんそくの症状は悪化するのです。さらには、細菌性の二次感染にかかり、気管支炎や肺炎を併発する危険性も生じます。鼻やのどの感染が気管支や肺などにまで広がることにより、ぜんそくの発作もますます重症化し、より重篤な症状になるケースも少なくありません。ちなみに、風邪やインフルエンザに感染したことがきっかけでぜんそくを発症する人や、咳ぜんそくからぜんそくへと移行してしまうケースも数多く多く見られます。