2018年9月6日
未来の医療への回転扉(7)<AI診療は、未来の医者の競争相手か?> 後藤眞
とはいうものの、未来は、人間よりは、ましなAI様が、闊歩することは間違いなさそうです。第一、医学教育は、すべからくヒポクラテス教授や、オスラー教授、華陀(かだ)講師という名前の AIが担当すると思います。最高のAI教授が、出来の良いAI学生を昼夜を分かたず教育するわけですから、間違いばかりしている人間が敵うはずがありません。
<ラッダイト運動が起きるのか?>
では、われわれつぶしの利かなくなった医師は、どうすればよいのでしょうか?
嘗て産業革命で、職を奪われた英国の労働者達のように、機械の打ち壊しをしたラッダイト運動を起こさないとしたら、いくつかのケースが予想されます。
1)これまで通りの旧弊な医療と基礎研究を継続しつつ、AIの教育を我慢強く継続する(有り難いことに、旧弊な医療システムに郷愁を覚える患者は居るはずですので、すこし先まで需要はあるはずです)。
2)1%の我が儘放題な患者相手のsuper-precision medicineは、AIドクターの助けを借りつつ、我々は、その助手や看護士として、ちゃっかり儲けの多い、高額医療として存続できると思います。