2018年10月24日
捨てる(1) 佐藤東洋麿(横浜市)
そろそろ色々なものを捨てはじめる。終活という言葉を私はあまり好きでない。ここまで自分なりに努力して生きてきたんだ、最期くらい、後は野となれ山となれ、で終わらせてほしい。そうは思っているのだが、ふしぎなことに八十歳にもなってみると、自分から何か身の回りのこまごましたものを捨てたくなる。もう二度と聴かないと思われるCDは火曜にプラスティック廃棄袋へ、何冊あるかさえ分からない文庫本は、まとめて水曜日の朝にマンションの階段下へ。やっかいなのは、本の場合つい内容を見返してしまうのだ。