2018年11月6日
長期にわたる治療期間 病と上手に付き合ってQOLを向上させる-01 佐野靖之 「隠れぜんそく」-06章 発売元 株式会社 幻冬舎より
成人ぜんそくにはほとんど完治はない
「寛解」という言葉をご存じでしょうか。これは、症状が一時的に軽くなったり、消えたりする状態を指します。もっといえば、症状はいい方向に安定し、このまま病気が治るケースもありますが、再発する可能性もあるという状態です。いわゆる「完治」と勘違いされて使われることがありますが、「完治」は完全に治った状態。完全に治ったとはいえない「寛解」は「完治」とは違います。
まだ成長期にある小児のぜんそくでは、中学入学までにおよそ4割が寛解し、残りのおよそ3割が軽症化しますが、完治には至りません。成人ぜんそくも同様に一度かかってしまうと、完治させることは難しい病気です。しかし、医師の指示どおりに吸入ステロイド薬を正しく服用し、自己管理も怠らなければ、「寛解」状態に持ち込むことは可能です。それはつまり、発作が起こらないということです。