2018年11月8日
長期にわたる治療期間 病と上手に付き合ってQOLを向上させる-03 佐野靖之 「隠れぜんそく」-06章 発売元 株式会社 幻冬舎より
成人ぜんそくにはほとんど完治はない
ただし、この状態でこその落とし穴があります。状態がいいため、自分が病気であることを忘れてしまいがちになるのです。通院をやめてしまう人もいますし、「1日だけなら薬を吸入しなくてもいいだろう」という気持ちが、2日になり、3日になって、気づくと吸入が週何回かになってしまう人もいます。こんなことを繰り返していては、せっかく寛解状態だったものが、簡単に悪い状態に戻ってしまいます。そして、ある日訪れるのが発作です。そこまで逆戻りをしてしまうと、再び寛解状態になるのに以前よりも時間を要してしまいます。
ぜんそくは「状態のいいときこそ、正しく治療を続ける」ことが大事な病気です。それは言うほど簡単なことではないと想像できますが、しかし、そうすることでしかゴールは目指せないのです。症状が出ていない状態のいいときにこそ、正しく吸入ステロイドなどの治療を続けること。これを肝に銘じてください。