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2018年11月12日

長期にわたる治療期間 病と上手に付き合ってQOLを向上させる-05 佐野靖之 「隠れぜんそく」-06章 発売元 株式会社 幻冬舎より

ぜんそくとは「体質」による病気である

 ぜんそくが大きく2種類に分けられるのは、前述したとおりです。ほかのアレルギー同様、アレルギーを引き起こす原因=アレルゲンがあるものをアトピー型と称し、特定のアレルゲンはなく、さまざまな刺激が発作の引き金になるものを非アトピー型と称します。
小児ぜんそくのおよそ9割はアトピー型で、アレルゲンとして多いのは、ダニとその死骸やふんなどのハウスダストです。遺伝については先に述べましたが、小児ぜんそくの場合は家族や親戚にアレルギー体質の人がいる場合、発症率が高いことがわかっています。

 一方、成人ぜんそくのうち、およそ3割が非アトピー型で、発症のピークが40~60歳です。
 子ども、成人いずれの場合も、根底にあるのは「体質」。ハゥスダストやたばこ、花粉、大気汚染など後天的な要素は、体質によるアレルギーを誘発する「スイッチ」と理解してください。体質改善の方法は減感作療法などさまざまに議論されていますが、実際にはなかなか成功していないことが多いと思います。体質改善で症状を軽くすることはできても、寛解まで持っていくことは難しいと思います。
 「体質」による病気であるがゆえに、正しい治療をすることで症状を抑えることが大事なのです。そうすることで、ぜんそく患者のQOLは確実に向上します。



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