2018年11月26日
おわりに-1 佐野靖之 「隠れぜんそく」-おわりに 発売元 株式会社 幻冬舎より
気づかないうちに「ぜんそく患者」になっている、いわゆる「隠れぜんそく」について考えてきましたが、本書を読んだ皆さんは「例えば自分がぜんそく患者でも、正しい治療を根気よく続けていれば安心」という印象を持っていただけたのではないでしょうか。
自覚がなくとも「長引く風邪の症状に加えて、呼吸がゼーゼー、ヒューヒューする」「運動すると咳き込む、息苦しくなる」「他人のたばこの煙を吸うと咳き込む、息苦しくなる」「香水などの強い香りをかぐと咳き込む、息苦しくなる」「深夜から明け方にかけて咳や息苦しさが出やすい」などに心あたりがあれぼ、まずはぜんそくを疑ってみてください。ぜんそくは放っておくと重症化し、最悪、生命の危機に陥る場合もある病気です。「気になるけれど、いずれ治る」という根拠のないある種、「前向きな自己判断」を繰り返しているうちに、重症化してしまう危険性もあります。症状に心あたりのある人は、早めに専門医を受診することをおすすめします。
その上で、ぜんそくと診断された場合、医師の指示を守って自己管理に努めてください。平均的に見て、3年間、毎日朝晩2回、根気強く吸入ステロイド薬を続けた患者は、次第に発作が見られなくなります。3年間は非常に長く感じるかもしれませんが、ぜんそくは体質的な病気のため、完治する病気ではありません。生涯仲良く付き合う病気と考えれば、3年で発作の心配から解放され、いわゆる「寛解」の状態に近づくと思えば、決して長い時間ではないと思います。むしろ短い時間なのではないでしょうか。