2018年12月5日
汗のいろいろ、ひや汗、香ばしい汗(4) 斎藤玉男
話頭は香ばしい汗に移る。中国唐代の記事と思うが、時の王室に「香妃」の名が見える。妃の体臭、就中汗が常に薫香を散じたとある。その匂いの種類や濃さは明らかでない。それが覇香の系列であれば、どこか特殊な体部にある汗腺の中の細胞列がアロマ質を軽く分泌する性質を獲得したものであろう。これは腋臭の皮脂腺の例からも類推出来る。或は分泌源は汗腺でなくて皮脂腺であったかも知れない。これもアロマでよかった。これが腋臭であってもまさかに「臭妃」とは呼ぶまい。