2018年12月18日
フランスの拝情詩人たち(3)ローベルト・ワルザァ 板倉靹音訳
シャルル・ボードレールがフランスの過剰文化を代表し、このいわばきらめくばかりの洗煉に対して前世紀の七十年代のドイツが大砲を向けたとすれば、ヴェルレーヌは、さめざめと泣くという考え得るかぎりの愛嬌ある課題をひきうけたのであり、この責務を彼は最も才能ゆたかに、それゆえにまた最も感謝さるべき仕方で果しているのである。彼は懺悔と贖罪の国に詣で終えた巡礼にたとえられる。彼はただ自分一個のためにというよりは、むしろすべての当時の同国人のために宥しを乞うたのであり、それゆえにぼくらは彼を偉大なフランス人と呼ぶことができる。