2018年12月20日
フランスの拝情詩人たち(5)ローベルト・ワルザァ 板倉靹音訳
罪は、先に述べたように、すでにボードレールがさんざん犯している。この分野でなおはなばなしい勲功をたてることは殆んど不可能であった。告白の詩はこれ以上、書きようがなかった。この仕事はヴェルレーヌによってなし終えられていた。
ランボーは大胆で遠目がきいた。彼は先例を作ろうと決意し、文学には時間と空間を付与することによって奉仕でき、社会には話題を提供するようにふるまうことによって奉仕できることを証明した。彼は自らを伝説の人となし、彼の民族のためには偉大な感銘、勇気の象徴にまで成長した。