2019年3月5日
出羽三山 信仰 歌集 大き画布 西川敏子より
四十年の起伏激しき生活経て出羽三山を巡る夫婦旅
出羽の山すでに波立つ芒穂と共に聴きおり晩夏の風を
(羽黒山)
杏き世に戻りしとおもふ法螺鳴らし山伏の一団厳めしく過ぐ
(湯殿山)
岩穿つ霊湯を渡り神官の山形弁の祝詞頬をゆるます
(月山)
死者のゆく山と畏れらるる月山に束の間華やぐ高山植物
(月山)
穏やかに横たはりゐる月山にやがて烈しき雪が覆はむ
(立石寺)
切り立てる岩肌にしがみつくやうに山寺はあり芭蕉偲ばせ