2019年4月12日
未来の医療への回転扉(2) 後藤 眞
〈ビッグデータの光と影〉
今流行のビッグデータとは、従来型の線形、非線型データに加え、天気予報、景気判断、株化予想、選挙動向、人口動態、病気予測、治療計画などの複雑系システムを含む、非構造的、非定型的巨大データ群に他なりません。現在あるコンピューターでは、エクサバイト、つまり、260までが限界のようですが、我々が日常的に使っているコンピューターが、キロバイト(210)から、ギガバイト(230)程度なので、その30~50乗以上の複雑系のデータを扱うことが可能です(しかし、それでもコンピュータの限界はありますので、どこまで、人間の代行業は可能でしょうか ? )。ビッグデータの活用とは、究極的には、AIとディープラーニングを駆使した群特性や個別特性の解析と対応という総合的な破壊的テクノロジーなのだと思います。段階的進歩という前時代的でのんびりと生やさしい段階を踏んでいく進歩ではなく、まったく別世界へのレーザー光線並みの飛翔と考えられます。