2019年4月15日
未来の医療への回転扉(3) 後藤 眞
人間の身体は、異なっているといえども、遺伝学的には、99%以上同じなのですから、つべこべ言わず、群として、平均、標準治療ということに落ち着くでしょう。それで99%の群は、満足するでしょうし、他もそうだからと言うことで満足させられるはずです。
大数の法則で、巨大なビッグデータを蓄積することによって、群としての平均特性を選び出すことができるはずですが、当然、いかなる過去の試練を経ていようと、すべてが正解という保証はありません。最近のニュースでは、ビッグデータの一翼を集積し、提供するツイッター社が、あやしげな方法で偏ったビッグデータを提供していることが発覚しました。ビッグデータだから、ということでなんでもかんでも正しいとは限りません。そもそもが、作成者の恣意的なプログラムに従って集積、解析されたデータなのですから、本質的に環境の大きな変化(例えば、天変地異の大変動や、過剰な都市化、国際政治や国内政策の激変など)によって大きく変化するファクターも少なくないでしょう。この点は要注意です。