2019年4月23日
未来の医療への回転扉(9) 後藤 眞
また、つい最近では、これまで世界中の化学の教科書に書かれていた基礎的な化学反応の間違いが、見つかりました。それは、20世紀初頭に発見された芳香族求核置換反応のらち、急般的にはあまり馴染みがないジャクソン・マイゼンハイマー錯体という中間体が生成されるといわれる反応です。なんと、そうした中間体の生成はないのだと否定されたのです。
さらに、AIは、ハッカーによって、比較的簡単に情報を操作されてしまうことも判明しています。
と、このように、限界や問題点は、結構あり、気の早い評論家の中には、「ビッグデータの終焉」とか、「フェイク・ラーニング」などと、宣う方も出てきました。
とはいうものの、未来は、人間よりは、ましなAI様が、闊歩することは間違いなさそうです。第一、医学教育は、すべからくヒポクラテス教授や、オスラー教授、華陀(かだ)講師という名前のAIが担当すると思います。最高のAI教授が、出来の良いAI学生を昼夜を分かたず教育するわけですから、間違いばかりしている人間が敵うはずがありません。