2019年9月27日
「ジェミラの風」(4)アルベール・カミユ 柏倉康夫訳
わたしは太陽と風を激しく浴びて、生命力のすべてを使い果たした。残っているのは、打ち合わされる両翼のあの羽音、自らを嘆くあの生命、精神の弱々しい反抗だけだった。世界の隅々へと拡散したわたしは、我を忘れ、また我からも忘れられ、風となり、風のなかの、石柱、アーチ、熱を感じている石畳、荒涼とした街をめぐる青白い山々となった。わたしは自分自身から離脱し、同時に、世界のうちにあることを、これほど強く感じたことはなかった。
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2019年9月27日
わたしは太陽と風を激しく浴びて、生命力のすべてを使い果たした。残っているのは、打ち合わされる両翼のあの羽音、自らを嘆くあの生命、精神の弱々しい反抗だけだった。世界の隅々へと拡散したわたしは、我を忘れ、また我からも忘れられ、風となり、風のなかの、石柱、アーチ、熱を感じている石畳、荒涼とした街をめぐる青白い山々となった。わたしは自分自身から離脱し、同時に、世界のうちにあることを、これほど強く感じたことはなかった。