2019年12月6日
日々雑感 第一話 及部十寸保
日々雑感
おじいちゃんは、どう生きてきたのか、そして、今、何を考えているのか、何を願っているのかを、子や孫に話しておきたい。
第一話 「マスターズ甲子園」
ハーキンソン病という厄介な病とつきあうようになって十年余りになる。近頃は、歩行が困難な上に、健鞘炎なのか、 利き手の右手が不自由になったので、ダイキ治療院の富田博明氏のマッサージを受けている。
富田氏は自宅に治療に来てくださるので有り難い。その上、お話が上手なので対話の時間が楽しい。最近話題になったことをいくつか書いてみようと思う。
富田氏は、高校時代、成章高校野球部に所属していた。それで、今は、近くの子供たちに野球の指導をしてみえる。 或る時、「県下e高校の野球部OBで交流試合をして、その優勝校がガマスターズ甲子園ガという大会に出場する企画があるから参加してほしい。」という依頼を受けた。成章高校では六十四名のOBが承諾した。富田氏はそのキャプテンに推された。
昨年、第一回県大会があり、大府高校が優勝、甲子園に出場した。今年の第二回県大会は、三月十五日からの三日間、 知多の阿久比球場で開催された。成章高校は前年度優勝校の大府に勝利し、準決勝に進出した。「良い報告ができるよう頑張ってきます」と言う富田氏に、私は、「怪我をしないように。」と励ました。
結果は、「夢破れました。」というものだったが、そう言う富田氏の声は明るかった。国府高校に敗れはしたが、十対八という大熱戦。八回裏が終わって、十対一という大差があったが、ここで皆が奮起、打線が繋がって肉薄した。
それぞれに仕事があって、練習時間が十分とれなかったのに、この結果に一同感激した。富田氏は「もうこれで大丈夫。 思いをひとつにしたチームができた。」と確信したという。特に、ご自身が、九回表ーイニングだけだが、ピッチャーとして投げ、零点に抑えたことも忘れられない思い出だと言われる。何よりも良かったのは、この試合を見た現役の野球部員が「OBたちでもあれほど闘える。自分たちも頑張る。」と言ったことだとも言われる。そして、最後に、「この企画は星野仙一氏の発案と聞いた。沢山の人々に希望の灯をともす星野氏の偉大さを改めて感じた。」と述べられた。
甲子園は高校野球の聖地。昨日からまた球児たちの熱戦が始まった。
2019年3月24日 記す