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2019年12月10日

日々雑感 第三話 及部十寸保

第三話 「大相撲の魅力」
 相撲は好きで、小学校入学前にお相撲さんの名前をすべて言えた。また、書くこともできた。学校には土俵があり、 男子の体育の時間の多くは相撲で。クラスを二つに分けた対抗戦が行われた。背の小さい方から順に勝ち上がる勝ち抜き戦であった。
 私は身体が小さかった。しかし、私はクラスの真ん中より上まで勝ち抜けた。勝つ方法をひとつだけ知っていたからである。立ち上がったら全力で相手の胸を押す。相手はこらえようと力を入れる。その途端に、思いっきり、前にはたく。 たいがい、面白いように決まった。卑怯と言えば、そう言える技である。相手の多くは、前に倒れたときに鼻血を出したので、先生には、「おい、及部。あまり激しくやるな。」と言われた。
 大阪ボディメーカーコロシアムで開かれた大相撲の平成三十一年春場所は、連日満員札止めの大盛況であった。三十四歳の白鵬が優勝した。しかも全勝であった。別格の強さだった。特に、変わり身の速さが人々を驚かせた。
 白鵬と人気を分けた貴景勝の奮闘があって、場所後、彼は、大関に昇進した。私は、貴景勝が「佐藤」という四股名で、 十両、幕内と駆け上がっていくのを見てきたので、本当に強くなったと感心した。その上に人柄がよくて、褒め言葉にも 「普通です。」と謙遜して答える。千秋楽の日の貴景勝の目から落ちる涙は、見る者すべてに感動を与えた。大きくない
身体だが、今後が期待できよう。
 巨漢の逸ノ城、照ノ富士の活躍もあった。二人はモンゴルから同じ飛行機で、鳥取城北高校に留学した。同校は、私の大学時代の友人、上田澄男氏が校長をしていたので、彼から紹介されていた。しかし、逸ノ城は、入幕早々大関に上がるかと思わせる活躍だったが、その後、全く低迷してしまった。一方、照ノ富士は、大怪我のため五場所全休などがあって、 序二段に落ちてしまった。この地位で元大関が相撲をとった例はないそうで、廃業かと思わせたが、頑張っている。
 小兵力士の炎鵬の活躍も楽しめた。もう一人、宇良の回復も待たれる。大鵬の孫の納谷は三段目で、六勝一敗。幕下( の昇進を決めた。
 さて、相撲は、本質は格闘技である。同時に、千五百年の歴史を持ち、文化的要素を持ったスポーツとして発展してきた。化粧まわしをつけた力士の土俵入り、不知火型、雲龍型、両横綱の異なる土俵入りに始まり、五行司、三段格行司、 幕内格行司、十両格行司と装東もそれぞれ違う行司役、呼び出し、更に勝負審判、清めの塩まき、弓取り等、細かい規定にのっとっての所作、すべてが実に美しい。最近は、力士後援会がいくつもでき、大声援を送って土俵周辺の活気も高まる。
 解説する北の富士のボケ、はきはきした舞の海のロ調、担当アナウンサーの内容の濃い案内、すべてが大相撲の全盛期を作り出している。
 私は、去る三月二十八日、両国国技館を訪ねた。堂々たる建物であった。収容人数一万一千九十八人。吊天井、優士の額などに見入った。

2019年4月2日 記す



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